- つむ
- I
つむ【摘む】〔「爪」と同源〕(1)(「抓む」とも書く)指先や爪の先などではさみとる。
「茶を~・む」「草を~・む」
(2)はさみなどで先を刈る。 髪や植木などを刈る。「枝を~・む」「頭髪(カミ)なんか~・んで, 大層綺麗におめかしして/別れたる妻に送る手紙(秋江)」
(3)指先で強くはさむ。 つねる。「手をいたく~・ませ給へるこそ/源氏(東屋)」
(4)指先ではさんで持つ。「御裳(ミモ)の裾~・み上げ掻き撫で/万葉 4408」
‖可能‖ つめるIIつむ【積む】(1)物の上に物を重ねる。「石を~・んで塀を作る」「みかんが山と~・まれている」
(2)乗り物に荷物をのせる。 積載する。「貨車に石炭を~・む」「砂利を~・んだトラック」
(3)長い期間をかけて, 次第に増やしたり高めたりする。「フランスで修業を~・んだコック」「経験を~・む」「トレーニングを~・む」
(4)(金品を)ためる。 また, 貯金する。「毎月五円宛(ヅツ)会社の方で預つて~・んで置いて/吾輩は猫である(漱石)」
(5)金銭を相手に渡すべく用意する。「いくら金(カネ)を~・まれてもこの土地は売らない」「保釈金を~・んで保釈される」
(6)「つもる{(1)}」に同じ。「雪が降り~・む」「雪のいとおほく降りたるを, うれしうもまた~・みつるかなと/枕草子 87」
〔「積もる」に対する他動詞〕‖可能‖ つめるIIIつむ【舶】大きな船。IV「進みて嶋郡(シマノコオリ)に屯(イワ)みて~を聚め軍の粮を運ぶ/日本書紀(推古訓)」
つむ【詰む】※一※ (動マ五[四])(1)密ですき間がなくなる。 つまる。「目が~・む」
(2)将棋で, 王将が囲まれて逃げ場がなくなる。「あと一手で~・む」
(3)ゆきづまる。 窮する。「理に~・む」
※二※ (動マ下二)⇒ つめるVつむ【錘・紡錘】糸をつむぐと同時に, 糸に撚(ヨ)りをかけながら巻き取る道具。 ぼうすい。 すい。 つみ。VIつむ【集む】あつめる。VII「なげきな~・めそうき事にあひくる身をばすてぬものから/古今(物名)」
つむ【頭】「つむり(頭)」の略。→ おつむVIIIつむ【齧む】前歯でかむ。 かじる。「似げなきもの…髯勝ちなる者の椎~・みたる/枕草子 41」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.